カテゴリー:日々の出来事の記事一覧 119 件

偽痛風

痛風はご存じの方は多いかもしれませんが、

痛風と似た関節痛を起こす疾患に偽痛風と呼ばれるものがあります。

突然、膝や手首の関節が腫れて痛みが出ます。

急に関節痛が起こる疾患ですが、痛風とは原因が異なります。

関節内にピロリン酸カルシウム(CPPD)と呼ばれる物質が

沈着して炎症を起こして症状が出現します。

時には全身の熱がでることもあり、他の感染症と鑑別が必要なこともあります。

診断は、レントゲンを撮ると、関節の隙間(実際は膝では半月板がある)に

カルシウムが沈着した様子が写ることがしばしばあります。

関節液(いわゆる関節の水)を注射器で抜いて、顕微鏡で調べると、

CPPDの結晶が確認されることで診断がつきます。

治療は、自然経過で炎症が治まることも多いですが、

痛みが強いので、痛み止めの薬を飲んだり、湿布を貼ったりすることが多く、

時には関節に注射することで痛みを緩和します。

高齢者に多いので、ご年配の方が、急に強い関節痛と関節の腫れをうっえられた時には

考えられる病気の一つです。

聞き慣れない名前かもしれませんが、結構頻繁に見かける疾患ですよ。

 

痛み止めについて

整形外科では痛みを訴えて受診される方が多いので

痛み止めの薬を出すことが多いです。

痛み止めと聞くと、バ〇ァリン、ロキ〇ニン、ボル〇レンとよばれる薬を

思い浮かべる方が多いと思います。

 

一般的に痛み止めと言われるのは、非ステロイド性消炎鎮痛薬と

呼ばれるものです。ロキ〇ニンやボル〇レンがそれにあたります。

炎症を誘発する物質を抑えることによって、鎮痛や解熱する作用を発揮します。

しかし、長期内服すると胃潰瘍や胃炎などの消化器の障害や、

腎臓の障害などが心配されます。

近年は胃の障害が少ないように改良されてきています。

 

非ステロイド性消炎鎮痛薬以外にも痛みを抑える作用のある薬はたくさん存在します。

神経の痛みを抑える薬としてプレガバリンと呼ばれる薬や

安全性が高いノイ〇トロピンと呼ばれる薬、

慢性的に続く痛みに対しては弱オピオイドとよばれる、

麻薬ではないけれども麻薬に近い作用をする薬があります。

麻薬と聞くと倦厭されがちですが、弱オピオイドは、慢性的に続く痛みに対して

とても強い鎮痛効果があり、最近は広く用いられています。

 

その他、うつに用いる薬やけいれんの治療に用いる薬、ステロイドなどを

痛みを抑えるために使用することもあります。

 

痛みを抑える薬は数多く存在し、疾患や病状にあわして用いられます。

痛みは本当につらいものです。

薬によって緩和できるものもたくさんありますので整形外科で

是非ご相談下さい。

 

 

テニス肘、、錦織選手残念

錦織選手、残念でした。

でも、グランドスラムで準優勝は本当にすごいことです。

ご苦労様でした。

今後、日本人初のグランドスラム制覇を期待して応援します。

 

ところで、テニス肘と呼ばれる障害があります。

正確には上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつがいそくじょうかえん)と呼ばれるもので、

テニスのバックハンドストロークで起こることが多くので、テニス肘と呼ばれています。

決してテニスだけでおこるわけでなく、良く手、手首を使う動作をするとおこります。

 

肘の親指側の出っ張っている骨の部分が上腕骨外側上顆と呼ばれる部分ですが

この部分には手首をそらす筋肉、指を伸ばす筋肉の端が集まってきています。

よくその筋肉を使うことによってその部位で炎症が起こり痛みが出ます。

 

治療はストレッチや、安静、湿布や鎮痛薬を使用することが簡単にできますが、

その他、その部位に注射をしたり、

専用のバンドを装着することで負担を軽減したり、

理学療法を行ったりして治療します。

これらの治療で治らない重症なものは手術を行う場合もあります。

 

錦織選手の影響で、テニス熱が盛り上がりそうですが、

テニス肘にはご注意を。

 

読み終えました(^_^;)

少し前に買っていたのですが、

電車の中や、寝る前に少しずつ読んで、やっと読み終えました。

ちょっと前に話題なりましたこれ・・・

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「村上海賊の娘 上・下巻」

久々に長編小説読み切りました。

話題になった本だけあって、読みやすく、面白かったです。

本当にそうだったかはさておき、

戦国時代の人物がそれぞれ特徴、個性をもって描かれていて、

その個性的なキャラクターたちがいい味をだしていました。

「のぼうの城」は映画化されていましたが、

これもいずれ映画化されそうな気が・・・

 

読み終えた本は早速、クリニックの図書に並べておきました。

来院されてお時間のある方はどうぞお読み下さい。

ALS

ALSアイスバケツチャレンジが巷で話題になっていますね。

ALS(筋萎縮性側索硬化症)の認知を広めるために行われている運動で、

指名された人物はチャレンジを受ける場合、氷水をかぶるか、

または100ドルをALS協会に寄付するか、

あるいはその両方を行うか

を24時間以内に選択しなければならないというものです。

 

日本ALS協会

http://www.alsjapan.org/jp/index.html

 

この運動自体には賛否両論あるようですが、

ALSが広く知られるようになることはいいことだと思います。

診断、治療は神経内科の医師が中心になって行いますが、

我々整形外科医も決して、他人事ではありません。

ALSの初期症状は

手足の力が入りにくい(筋力低下)、手足の筋肉がやせてきた(筋萎縮)など

手足に現れることが多いので、しばしば整形外科を初診します。

特に脊椎を専門にしていると、

頚椎疾患でも同じように手足の筋力低下や、筋萎縮が認められることがあるので

鑑別が必要になることがあります。

日本人の患者数は8000人程度で稀な疾患とは言えますが、

私自身、ちょくちょく遭遇しますので

決して稀ではないなという印象で、

整形外科医といえども常に注意をしておかなければならないと考える疾患の一つです。

 

アイスバケツチャレンジが一時のブームでなく、

ALSに対する支援がどんどん広がることを祈るばかりです。

石灰沈着性腱板炎

肩関節の痛みを生じる疾患で五十肩はよく知られていますが、

同じような肩の痛みを来す疾患に

石灰沈着性腱板炎と呼ばれるものがあります。

一般の五十肩に比べると、激しい痛みであることが多く、

夜中にうずくような痛みが出る場合もしばしばあります。

症状が比較的短期間で治まるものもあれば、

慢性的に痛みが続くものもあります。

中年の女性に多くみられ、肩を動かすスジ(腱板)に

リン酸カルシウム結晶が沈着(石灰化)し、炎症を生じることによって起こります。

診断はレントゲンを撮れば石灰が写るので比較的容易です。

石灰は、ドロッとした状態で、時がたつにつれ、硬く変化していきます。

ドロッとした石灰は、エコーで確認しながら

注射器で吸って取り除くことができることがあります。

固くなってしまったものは吸い出すことができないので、

他の方法で石灰をなくすように試みます。

胃薬(H2ブロッカー)は石灰を溶かす作用があることが知られています。

また超音波治療でも縮小することがあります。

最近は、腎結石などの治療に用いられる体外衝撃波を用いることもあるようです。

様々な治療を行ってもの痛みが強く、肩の運動に支障がある場合は

手術で摘出することもあります。

たとえ、石灰が残っていても、薬や注射、リハビリ治療で

痛みが改善する場合も多数あります。

五十肩と自分で診断をつけてしまって治療を受けていない方は

こんな病気もあるので診察を受ける方がいいと思います。

ブログもう一つあります。

最近、「ブログ見てますよ。」なんて

声をかけて頂くことが多くなり、嬉しいかぎりなのですが、

実は遠藤クリニックには二つブログがあるのを

ご存じの方は少ないようです。

ホームページのトップページ内にある「遠藤クリニックブログ」のアイコンを

クリックすると今ご覧になっているブログです。

これは、院長と遠藤クリニックのスタッフのブログです。

 

もう一つは、トップページ内の通所リハビリのアイコンをクリックすると、

遠藤クリニックリハビリセンターのページに変わります。

(画面の色が緑から青になります。)

そのページ内の下の方に「ブログ」と書かれたアイコンがあります。

これはリハビリセンターのスタッフのブログです。

 

http://www.endo-clinic.or.jp/staffblog/

 

介護保険下で行われる通所リハビリ(デイケア)にご興味のある方は

こちらのブログもご覧になって頂くといいかと思います。

もちろん、通所リハビリに関係のない方もごらんになって下さい。

クリニックのブログとはまた一味違います。

ブログは本当、個性が出ますね。

なかなか面白いですよ。

リハビリ室改修工事

院内ではすでに告知しておりますが、

このお盆休みを利用してリハビリ室の改修工事を行います。

8月18日~21日までの予定です。

リハビリ治療は変わらず受けて頂くことが可能ですが、

場所が狭くなるため、ご迷惑をおかけします。

しばらくの間ご不便をおかけします。

今年の土用は。

今日は節分でした。

明日は立秋で、夏真っ盛りという感じですが、暦の上では秋となります。

節分前の十何日かの間を土用と呼ぶらしいので、夏の土用は終わりです。

今年は、何故かウナギにありつけることが多かったです。

ウナギが好物な私にとっては、いい土用でした。

 

ウナギを食べるたびに思い出すのが、おそらく「ウミヘビ」を食べた知人の話です。

まさかウナギと間違ってウミヘビを食べるなんてって思われるかもしれませんが、

あながち馬鹿にできる話でもありません。

海でとれたウナギ!?を調理して食べたら、妙に小骨が多かったと話していました。

その時、少し引っかかったので調べてみると、

ウミヘビには、爬虫類と魚類の2種類います。

爬虫類の方は蛇と同じような形をしていて、毒を持っています。

魚類の方は、穴子やウナギにそっくりなものが結構います。

ウナギ目に属するので当然のことですが。

ウナギ目ウミヘビ科ウミヘビ属でマルアナゴとよばれるものは

普通に食用として扱われています。

知人が食べたのはウナギに似ているウミヘビ属のものだと推察されます。

ウナギより小骨が多いみたいですね。

なので、間違っても馬鹿にできる話では決してありません。

さらに、沖縄では爬虫類のウミヘビを食べるみたいですね。

 

 

 

肘内障

子供さんの手を引っ張った後に、

腕がだらーんとして動かさなくなってしまうことがあります。

肘内障と呼ばれるものです。

肘関節で親指側の骨(とう骨)の端が、はまりこんでいた靭帯から、

外れてしまうことによって腕を動かさなくなってしまいます。

少し痛がる様子はありますが、骨折みたいに泣き叫ぶほど

痛がっていることは稀です。

(診察の時には、医者(私)の顔をみて、泣き叫んでることが大半ですが・・・)

親御さんによっては、「肩が抜けた」と来院されることがありますが、

成人では比較的よくある肩関節の脱臼ですが、小児では稀です。

抜けているのをもどすと、動かすようになり、その後も全く問題がありません。

大きくなれば抜けなくなります。

小学校の低学年程度までは注意が必要です。

 

特徴的ですので、手をついて転倒してから肘を痛がる場合や

肘を曲げて力が入っているのに、痛がる場合は

骨折を疑うこともしばしばあります。