後縦靭帯骨化症

後縦靭帯骨化症と聞いて、よく知っていますという一般の方は

少ないのではないでしょうか?

 

特定疾患(いわゆる難病)に指定されている疾患ですが、

整形外科診療では比較的、出会う機会が多い疾患です。

後縦靭帯とは脊椎の神経の通り道(脊柱管)の前方部分に存在する

靭帯のことで、それが厚くなり、骨のようになる疾患です。

一つの原因で生じる病気ではなく、複数の要因が関与して

発病すると考えられています。

遺伝的な要因、カルシウム・ビタミンDの代謝異常、糖尿病、肥満、

老化現象など様々な要因が重なって発生しますが、

原因の特定には至っていません。

 

固く肥厚した靭帯は、脊髄を圧迫するため、

手足のしびれや痛み、手足の運動障害・麻痺、歩行障害、

排尿や排便の機能の異常をきたします。

軽いしびれ程度の場合は、薬や理学療法などの治療を行うことが多く、

手足の運動障害、麻痺、歩行障害などをきたすような重症になれば

手術を行うことが一般的です。

 

特定疾患に指定はされていますが、

無症状で経過する方もおられますし、

手術によって機能が回復することは十分期待できるので、

不治の病という印象は持たなくてもいいかとは思います。