カテゴリー:日々の出来事の記事一覧 119 件

背骨が曲がる

「背骨はみんな、曲がっています。」

というと、 びっくりされるかもしれませんが、

ある意味正しいです。

種明かしをすると、

背骨は前から見ると真っすぐですが、

横から見ると曲がっています。

横からみると、アルファベットのSの字を重ねたように

なっています。

首の骨(頚椎)と腰の骨(腰椎)は前に凸のカーブ

胸の背骨(胸椎)は後ろに凸のカーブをしています。

前に凸のカーブを前弯、後ろにカーブしているのを後弯と呼びます。

このカーブがなくなってまっすぐになったり、

過度なカーブになったり、

反対にカーブしている場合は、

背骨の配列の異常ということになります。

 

ちなみに前からみた状態はまっすぐなので

横に曲がった状態は背骨の配列の異常ということになります。

これは以前からお話ししている側弯と呼ばれます。

6月4日なので、

6月4日ですので

旧虫歯予防デー、歯の衛生週間です。

なので、少し整形外科と歯にまつわる話を。

 

骨粗鬆症の治療薬であるビスホスホネート製剤は

骨粗鬆症の第一選択薬であり、

骨粗鬆症治療の中心的な役割を担っており、

整形外科では頻繁に使用する薬です。

しかし、副作用に「顎骨壊死」というものがあります。

歯の周囲の顎の骨が傷んでしまう病気です。

歯茎が腫れたり、骨が露出したり、感染によって膿が出てきたり

する病気です。

ビスホスホネート製剤を内服している方が、

抜歯などの侵襲的な歯科治療を受けた際に発生しやすいといわれています。

 

ビスホスホネート製剤を長期内服している人は注意が必要で

意見は様々ですが、

抜歯の際には休薬が必要になることが多いです。

普段から口腔内を清潔に保っておくことが必要で、

ビスホスホネート製剤を内服している方は

定期的な、歯科受診をおすすめします。

怪我のときの指輪

指輪をした指(薬指が多いと思いますが)に怪我をした場合、

注意が必要です。

打撲や骨折をした際、当初は腫れが少ないですが、

時間とともに腫れが強くなり、

指がパンパンに腫れあがることがあります。

 

 

そうすると指輪がきつくなって、外せなくなってしまいます。

外せないばかりか、指が締め付けられ、

指先の血行障害をきたしてしまうことがあります。

そのような状態が長時間継続することは

非常に危険です。

 

そのような状態で整形外科を受診された場合は

ひとまず、様々な方法外す努力をするのですが、

ダメな場合は、放置するのは危険ですので、

心が痛みますが、指輪を専用のカッターで切ります。

DSC_0988

切った指輪は修理できるみたいです。

 

怪我をした時には、早めに指輪を外しておくほうがいいです。

なかには、指輪が曲がっていたり、関節の変形で

もともと抜けなくなってしまっている方もいるので

気をつけたいところです。

神経根ブロックで診断

神経痛の治療に

(腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアなどによる腰下肢痛など)

神経根ブロックを用いる話をしたことがありますが、

この神経根ブロックについて、今回はもう少し詳しく

説明させていただきます。

 

そもそも神経根とは、硬膜管と呼ばれる

神経の通り道から左右にわかれる神経の枝のことです。

首ではその神経は上肢に

腰ではその神経は下肢の神経につながっていきます。

腰の骨の数だけ神経根はありますので、

腰椎は5個ありますから腰の神経根は

左右合わせて10本あるということになります。

 

神経根ブロックは、この神経の枝1本に対してブロック、

つまり注射を行う治療です。

 

MRI、症状から、痛みの原因となる神経根がわかりますので、

その神経根に対して、注射を行います。

しかし、検査でも痛みの原因となっている神経根がはっきりしない場合があります。

その場合、神経根ブロックをおこない、

痛みが一時的にでも軽減したことが確認できれば、

ブロックをした神経根が病因となっていると明らかになります。

診断も兼ねた治療ができるということです。

 

 

長時間の運転で腰痛

週末、長時間の運転で腰痛がでました。

 

腰痛の原因は多岐にわたり、原因が明らかでないものも

多数あるのですが、

座位姿勢は案外、負荷がかかっていることが知られています。

古典的な研究でも、椎間板にかかる圧力は普通の座位姿勢で

立位姿勢の1.4倍程度であることが知られていますし、

長距離ドライバーの職業病の一つが腰痛です。

運転中はずっと同じ姿勢をとりますので、

一定の部分に負荷がかかることが多く、

精神的なストレスも受けるので、

腰痛が出現しやすい状況にあります。

こまめに休憩をとって、ストレッチをすることが

少なくとも腰痛を悪化させない工夫の一つです。

 

私の腰痛は一時的なものですぐに治ってしまいました。

整形外科医の不養生にならずに良かったです。

愛媛土産

週末、愛媛に。

さていつも悩むのがお土産ですが、

愛媛土産にみなさん何を買うんでしょうね。

 

タルト、坊ちゃん団子、ポンジュース、山田屋まんじゅう

坂の上の雲とネーミングされたお菓子などなど、

いろいろありますが、

今回はあまり時間もなかったので

ど定番の ポエム にしました。

おいしいですし、

嫌いという人があまりいないような味なので

今回は無難な選択でした。

 

次回行くときには、もう少しじっくり吟味して、

少し冒険したものを買ってみたいです。

ゴルフ肘

肘の痛みの原因の一つにゴルフ肘があります。

テニス肘に比べると認知度は低いかもしれません。

テニス肘では肘の親指側(外側)に痛みがおこりますが、

ゴルフ肘では肘の小指側(内側)の骨が出っ張っている付近に

痛みが起こります。

この肘の内側には、手首を曲げる筋肉や、前腕を内側に回す筋肉が

集まっていて、その端が骨に付着しています。

ゴルフのスウィングを繰り返していると、

この部分が炎症や一部傷ついたりなどして痛みが出現します。

ゴルフだけでなく、手をよく使う場合には発生する可能性があります。

治療は、テニス肘と同様ですが、

ストレッチ、装具、薬、注射、リハビリ治療です。

肘の内側に痛みを感じた時には、

ゴルフ肘かもしれません。

整形外科にてご相談ください。

後縦靭帯骨化症

後縦靭帯骨化症と聞いて、よく知っていますという一般の方は

少ないのではないでしょうか?

 

特定疾患(いわゆる難病)に指定されている疾患ですが、

整形外科診療では比較的、出会う機会が多い疾患です。

後縦靭帯とは脊椎の神経の通り道(脊柱管)の前方部分に存在する

靭帯のことで、それが厚くなり、骨のようになる疾患です。

一つの原因で生じる病気ではなく、複数の要因が関与して

発病すると考えられています。

遺伝的な要因、カルシウム・ビタミンDの代謝異常、糖尿病、肥満、

老化現象など様々な要因が重なって発生しますが、

原因の特定には至っていません。

 

固く肥厚した靭帯は、脊髄を圧迫するため、

手足のしびれや痛み、手足の運動障害・麻痺、歩行障害、

排尿や排便の機能の異常をきたします。

軽いしびれ程度の場合は、薬や理学療法などの治療を行うことが多く、

手足の運動障害、麻痺、歩行障害などをきたすような重症になれば

手術を行うことが一般的です。

 

特定疾患に指定はされていますが、

無症状で経過する方もおられますし、

手術によって機能が回復することは十分期待できるので、

不治の病という印象は持たなくてもいいかとは思います。

新季刊誌 ピース

ご報告が遅くなりましたが、

季刊誌をリニューアルし、創刊しました。

すでに院内の数か所に設置しています。

季刊誌の名前は 「PEAS(ピース)」です。

「Publication by Endo clinic, Attached facilities, and their Stuff

(遠藤クリニックと付設施設、そのスタッフによる刊行物)」

を略したのと

えんどう(豆)の peas をかけています。

我ながら、ちょっと無理やりの気がしますが・・・・

 

今回の特集は、

「ロコモティブシンドローム」です。

まだまだ認知度が低いこの言葉を、皆さんに知ってもらおうと

整形外科医として詳しく説明しています。

その他、「抱え上げない介助方法」を介護士が解説してくれています。

お気軽に持ち帰って、読んでみてください。

腎臓の障害と薬

薬を服用するときに注意したい事の一つに

腎臓の障害があるか、ないか、結構気を使います。

腎臓から排泄される薬は腎臓の障害があると、

体の中に多くとどまり、作用が強くなったり、

さらに腎臓を傷害してしまいます。

薬自身の副作用で腎臓に障害をきたす可能性もあります。

年齢とともに、腎臓の機能は低下するので

特に高齢の方は注意が必要です。

整形外科でよく出す薬にも腎臓の障害をきたしやすい薬が複数あります。

非ステロイド性消炎鎮痛薬(いわゆる痛み止め)、骨粗鬆症治療薬、

リウマチ治療薬など、頻繁に整形外科で処方しているものが多数あります。

腎臓の機能は血液検査の、クレアチニン値と推算糸球体濾過量(eGFR)

から判断できます。

血液検査の結果を見て、自分の腎臓の機能がどれくらいか確認してみて下さい。

整形外科の治療だからといって、普段の内科の治療が関係がないということはありません。